『読書のチカラ』齋藤孝:多視点思考で不安や孤独に強くなる!読書で心に”賢者の森”をつくろう!

ゆば
そもそもさぁ、なんでオイラたち読書なんかしてるんだろうね?
きなこ
ちょっと!?さんざん本屋さんに入り浸ってきてそれ言っちゃうの!?
だいず
いやいや、とても重要な疑問だと思うよ!ゆばくん、もうちょっと詳しく聞かせてくれるかな?
ゆば
たとえばさ、知りたいことがあればネットで検索すれば一瞬で見つかるじゃん?しかもお金かからないじゃん?
わざわざ本を買ってペラペラめくるのってめんどくさいし、もう本の時代は終わったんじゃないかなーって、ふと思ったんだよね。
だいず
うん、するどい視点だ。きなこちゃんはこれについてどう思う?
きなこ
うーん、一理ある気はするけど…。
でもウチは小説が好きだから、本の時代が終わったとまでは思わないな。ストーリーの結末が知りたいんじゃなくて、ストーリーの進み方をゆっくり追っていきたいんだよ。
ゆば
それなら、ストーリーもの以外は本じゃなくていいじゃん?
きなこ
えー…本当にそうなのかなぁ?
だいず
なるほどね、二人ともありがとう。
よかったら、この本をいっしょに見てみないかい?どうして読書をするのかを考えるヒントになると思うよ。

 

 

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他者の思考を受け入れることが、やがて”賢者の森”になる!

本を読む楽しみを知れば、人生はもっと面白くなる!
「読書と生きる力はどう結びついているか」
「頭を鍛えるにはどのように読めばいいのか」
「孤独と不安の中で本を読むことの意味とは何か」
「本当の教養はどんな本から身につくのか」
という疑問に答え、あらゆる本が面白く読めるコツにはじまって、
あっという間に本一冊が頭に入る読み方まで、実践的な技法を紹介。
自分に適した読書スタイルがきっと見つかる!

文庫版裏表紙より)

だいず
ぼくの尊敬する明治大学の教授、齋藤孝さんの著作だ。
きなこ
どんな先生なの?
だいず
専攻は教育学ということになっている。でもそれにとどまらず、広い意味で優れた人格をつくるメソッドの研究をしている先生だ。
そのためには教養を身につけることはもちろん、自分の身体を使いこなしたり、社会と調和する道を考え続けたりする必要がある。だから齋藤さんの著作のテーマはとても幅広いんだ。
ゆば
斎藤さんは読書についてどう考えてるんだろ?
だいず
人生を豊かにするうえで必要不可欠なものとして考えている。
読書をすることで、偉大な人たちの思想に触れて、自分の中になかった新しい視点を取り入れることができる。つまり、ものごとをより多くの視点から考えられるようになるんだ。
それを齋藤さんは”賢者の森をつくる”と表現している。いきなりだけど、あとがきから引用するよ!

心に”賢者の森”を持っているか

若い人は、他人から説教されることを嫌う。異なる考えの人から「今のお前ではダメなんだ」と言われると、たちまち耳を塞いでしまう。今の自分を必死に守ろうとして、周囲にいる同質な人としか関われないのである。
言うまでもなく、これはたいへん危険な兆候だ。このままではコミュニケーションに支障をきたすし、精神的にも成長できにくい。その根本原因は、やはり読書が足りないことだ。心を柔軟に開いて著者という他人に侵入してもらい、いっそ住み着いてもらうぐらいの経験がないから、唯我独尊の境地から抜け出せないのである。
特に大学という場は、そういう洗礼を受けるためにある。本を通じて偉大な他者の存在を知り、ときには耳の痛いことも言われ、それでも受け入れ続けること。そうすると、気がつけば偉大な他者は自分の味方になってくれるのである。
その一本一本が集まれば、それはやがて”森”になる。心の中に、鬱蒼と繁った他者の森ができるわけだ。世の中が求める「大人」とは、まさにこういう心をもった人物を指すのではないだろうか。

「あとがきにかえて──人は本を読むことで大人になる」より

きなこ
いわれてみれば、場所も時代も超えて偉大な人たちの思想を知ることができるってすごいことだね。

 

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学校の勉強だけじゃない!「頭がいい」ってなんだ?

ゆば
でもさ、立派な本を出せるような人たちって、すごく頭がいい人たちでしょ?
その視点を取り入れようったって、オイラがちょっと読んだくらいじゃマネできないんじゃないかな。
だいず
なるほど。じゃあ、ゆばくんのいう「頭がいい」ってなんだろう?
ゆば
うーん、なんだろな?「学校の成績がいい」ってのとは違うんだけど。
みんなが思いつかないような、斬新な考え方ができる人かな?
だいず
なるほど!斬新なことを思いつく思考力だね。その点については、この本と一致しているんじゃないかな。

ひと昔前まで、精神力は「根性」とほぼ同じ意味で語られた。肉体的にタフであり、気力が充実していればこと足りた。たとえば、箱根の山を駕籠(かご)を担いで超える原動力が精神力だったわけだ。
しかし、今の時代にこういう体力をともなう精神力が求められることは少ない。そのかわり、欠かせないのが思考力だ。知識をベースに、自分の脳でものを考え、価値観を決めていく。それによって、自分の立ち位置を決めていかなければならないのである。
あるいは一般的に「ストレス」と呼ばれるものも、今や飢餓や生命の危機に起因するものは少ない。それよりも、日常生活の中で精神的なダメージを受けたりするケースがほとんどだろう。
それを処置できるか否かは、ごく単純にいえば頭の善し悪しによって決まってくる。それはもちろん、学校の成績そのものではない。「頭がいい」とは、ものごとの本質をすばやく掴み、優先順位をつけ、自分の能力とすり合わせて判断し、行動をきちんと選択できることを指すのである。

「プロローグ──本を読む意味とはなにか」より

きなこ
自分の頭で考えて行動を選択できるのが「頭がいい」という感じかな。
だいず
端的に言うとそうだね。そして、自分の頭で考えるにはベースになる材料がいるんだ。
たしかに頭のいい人の思考を取り入れるのは簡単なことではない。だからこそ、その思考のプロセスをなぞることが重要なんだ。
偉人の思考の過程を追体験すること。読書とインターネット検索のちがいはここにあると思うよ!
ゆば
もうちょっと具体的に教えてほしい!
だいず
たとえば、以前『夜と霧』っていう本を紹介したよね。
きなこ
アウシュヴィッツに収容された精神科医のお話だったね。

『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル:時代も国境も超えて、人間が生きる意味を問いかける。

2019-03-19
だいず
著者のフランクルは、「自分が生まれた意味を考え抜くことが大事だ」という信念を持つに至った。
だけど、その結論だけを知っても、フランクルがその考えを持つに至った過程はわからないよね。悲惨な収容体験に基づいて考えてきたプロセスをなぞることで、初めてフランクルの思考の全体像が見えてくる。
ゆば
ふむふむ。
だいず
著者がどんな経験をしたのか、どんなことを考えたのか、そうした思考のプロセスをなぞることが思考力を高めることにつながる。
ぼくらは、他人の思考をのぞき見ることはできない。だけど、ぼくらは読書によって、他人の思考を追体験することができるんだ。

本には、かならず何らかの視点がある。
自分自身を正当化したり、感情を優先させたりする前に、自分の思考をその視点に移動して見ることが読書の醍醐味であり、知性の柔軟化にもつながる。まして読書量が増えてくれば、その分だけ視点も増える。つまり”多視点思考”が可能になるわけだ。

「第1章 人生を楽しみつくす読書の技法」より

 

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書店で、自分の中に眠っている興味を引き出そう!

ゆば
多視点思考が大事なのはわかった!けどさ、やっぱり「読書」じゃなくてネットで検索するだけでも視点は増やせるんじゃないかな?
だいず
たしかに、今はTwitterでもYouTubeでも、カンタンに偉大な人の思想に触れることができる素晴らしい時代だ。それらによって、自分の中に新しい視点が増えていくのも事実だと思う。
それでも、本を読むことには大きな意義があると思うんだ。この本の中では、読書の目的を3つに分類している。

本を読む意義は三つある

そこで重要なのが、どんな本を選ぶかだ。同じ読書でも、読む本によって意義はまったく違ってくる。これには、大きく三とおりがある。
第一は、情報を得るための読書。たとえば、仕事や試験の必要に迫られて読む場合もあるだろう。第二は、一人の時間を楽しく有意義に過ごすための、頭の中でイマジネーションを膨らませる読書。そして、第三は自分を鍛え、精神を豊かにするための読書である。
いずれも必要だが、特に第二、第三の読書については並行させることができる。精神を直接に鍛える偉大な本ばかりではなく、単純に面白い本も、心を落ち着かせるために有効だ。言い換えるなら、一人の時間を読書で満たすことができれば、孤独を感じることも少なくなるのである。

「第1章 人生を楽しみつくす読書の技法」より

ゆば
なるほどなー。オイラが思ってた「本じゃなくてもいい情報」は、第一の読書ってことになるな。
きなこ
ウチが小説を読むのは第二の読書かな?でも第三の読書ってむずかしそうだなぁ。
だいず
自分を鍛えるための読書というと、ちょっと難しそうに思えるよね。でも、普段なら読まないようなジャンルにたまに手を伸ばす、くらいの感覚でも十分なんじゃないかな。
興味のあるなしや、ジャンルの好き嫌いって、意外と食わず嫌いだったりするんだよ。
この本では、書店を「興味引き出し空間」といっているよ。

私の場合、ネットでまとめ買いをすることもあるが、もっと急ぐ場合は大型書店に電話で問い合わせることもよくある。欲しい本をいくつか挙げて在庫を確認してもらい、取り置いてもらうようにお願いする。あとは、カウンターに取りに行くだけだ。
これなら時間もかからないし、探す手間も省ける。それに、せっかく書店に入ったのだから、そのまま帰る手はない。時間の許す限りいろいろな本を見て回り、追加で何冊か買ってくるのが常だ。歩いているだけで、興味のない分野の無数の本が目に入ること、そしてタイトルや書評だけに頼るのではなく、実際にパラパラとめくって中身を確認できるところが、ネットではなく書店で買う大きなメリットである。こういう場は大事だし、何よりも楽しい。
そして新たな本に出会い、未知の分野への興味が芽生えると、そもそも「興味・関心」や「好き嫌い」といった感覚自体が、実にいい加減なものであるということに気づかされる。むしろ今は、こういう「自分らしさ」とか「自分の考え」に重きを置きすぎるのかもしれない。それが、かえって自分の世界を狭め、人間的な広がりや深さを限定してしまっているのではないだろうか。

「第2章 あらゆる本が面白く読める技法」より

ゆば
書店は「興味引き出し空間」か!そういやオイラも、ここに来るまではぜんぜん本読んでなかったな。
きなこ
あーウチも、ここに来なかったら一生読まなかった本とかいっぱいある!
だいず
そういうことを言ってもらえると本屋さんの冥利に尽きるよ。新しいことに興味をもつためには、ほんのちょっとのきっかけでいいんだ。
齋藤さん流の読書を楽しむためのテクニックもいろいろ載っているから、「続けられる読書スタイルを見つけたい!」という人にもぜひ読んでほしいな。
ゆば
オイラももうちょっと、興味のあるジャンルを探してみるか!

 

 

だいず
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